スタッフブログ
2018年7月25日 水曜日
日光浴は大切(母乳のビタミンD不足に注意!)
日光浴は大切(ビタミンD不足に注意!) 近年増えているのが赤ちゃんのビタミンD不足です。 2017年9月の日本外来小児科学会で、母乳栄養の赤ちゃんの75%がビタミンD不足であるという報告がありました。 ビタミンDが不足すると、カルシウムが骨に沈着せず、骨の変形や成長障害を起こす「くる病」になることがあり、近年のくる病の増加については2015年4月の日本経済新聞で、東京大学の北中幸子准教授がここ十数年で再び患者が増えていると書いています。 もともと母乳にはビタミンDとビタミンKが足りません。 ビタミンKが不足すると出血を起こしやすくなるので、赤ちゃんが産まれると、ビタミンKのシロップを飲ませます。 ビタミンDは魚やきのこ、卵に多く含まれています。しかし食品からの摂取だけでは、足りません。 そこで大切なのが赤ちゃんの日光浴です。私も留学していた米国国立環境研究所が2013年に発表したデータによると、ビタミンD5.5μgを生成するのに必要な日光浴は、晴天の7月の正午なら札幌・つくば・那覇でそれぞれ、4.6分・3.5分・2.9分、晴天の12月の正午なら76.4分・22.4分・7.5分です。 これは大人が顔と手の甲を露出した場合の時間なので、赤ちゃんの場合は3〜4倍程度の時間が必要かもしれません。東北地方や北海道の冬は難しそうですが、夏場は日光浴だけでもかなりのビタミンDを補うことができそうです。 子どもの日焼けは、皮膚が赤くなるほどの日焼けは避けるべきです。しかし、ビタミンDは紫外線が皮膚に当たることで生成されるので、日焼け止めを塗ると生成量が減少します。 夏場は朝や夕方の涼しい時間に、赤ちゃんを連れて20分程度の散歩をしましょう。北海道や東北地方の秋冬生まれの赤ちゃんは、完全母乳育児の場合、お母さんがビタミンDのサプリメントを摂ることを考えても良いかもしれませんし、お母様もあまり日焼け対策をしていると母乳中のビタミンD不足が生じます。 赤ちゃんも過度な日焼け対策はビタミンD不足を起こす可能性があります。 母乳は赤ちゃんにとって最良の栄養源ですが、完全な栄養源ではありません。お母さんのバランスの良い食事と、お母さんと赤ちゃんの日光浴を心がけて下さい。
投稿者 医療法人社団ユニコ | 記事URL
2018年7月23日 月曜日
心のワクチン外来(その1)
ユニコの森 村上こどもクリニック院長村上博は、『こころのワクチン外来』を行っております。 予防接種でもできるだけこどもたちが、注射はいやだけれどがんばって自分でできた感が得られるように工夫しております。そのため、できるだけ自分で一人で座って受けることができるように日々工夫しております。注射をいつも嫌がって困っている親御さんは、一度ユニコの森の予防接種を受けてみられればいかがでしょうか?単なる予防接種という注射ではなく、予防接種を受けたこどもが自分でできた感、自己肯定感とでも言うべき体験をしてもらえる工夫をいろいろしております。 0798-69-0335
投稿者 医療法人社団ユニコ | 記事URL
2018年7月17日 火曜日
アレルギー対策基本法とは?
アレルギー疾患を有する人が居住する地域にかかわらず適切なアレルギー疾患医療や相談支援を受けられるように、平成26年6月にアレルギー対策基本法が成立して、平成27年12月に施行されました。 ユニコの森 村上こどもクリニック院長は、日本アレルギー学会認定専門医として、地域のアレルギー疾患の治療にこれからも取り組んでいきます。
投稿者 医療法人社団ユニコ | 記事URL
2018年7月13日 金曜日
熱中症の予防
熱中症を引き起こす条件は、「環境」と「からだ」と「行動」によるものが考えられます。 「環境」の要因は、気温が高い、湿度が高い、風が弱いなどがあります。 「からだ」の要因は、激しい労働や運動によって体内に著しい熱が生じたり、暑い環境に体が十分に対応できないことなどがあります。その結果、熱中症を引き起こす可能性があります。 暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。 単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。
投稿者 医療法人社団ユニコ | 記事URL
2018年7月 8日 日曜日
日本脳炎ワクチンは生後6ヶ月からできます。
お知らせ
過去のお知らせ
日本脳炎罹患リスクの高い者に対する生後6か月からの日本脳炎ワクチンの推奨について
公益社団法人日本小児科学会
予防接種・感染症対策委員会
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスを保有する蚊にさされることで感染します。日本脳炎ワクチンの普及と生活環境の改善により、日本脳炎患者発生は最近少なくなっていますが、毎年各都道府県で実施されているブタの抗体保有状況をみると日本脳炎ウイルスは西日本を中心に広い地域で確認されています。
現在、日本における日本脳炎ワクチンの1期の標準的接種時期は、初回接種として3歳に達した時から4歳に達するまでの期間に、6日以上(標準的には6日から28日まで)の間隔をあけて2回、初回免疫終了後6か月以上(標準的にはおおむね1年)あけて1期追加として4歳に達した時から5歳に達するまでの期間に1回となっています。ただし、定期接種の1期として接種可能な時期は生後6~90か月となっており、希望すれば生後6か月以上であればいつでも接種可能です。
最近の小児の日本脳炎罹患状況をみると、熊本県で2006年に3歳児、2009年に7歳児、高知県で2009年に1歳児、山口県で2010年に6歳児、沖縄県で2011年に1歳児、福岡県で10歳児、兵庫県で2013年に5歳児の報告があります。また、2015年千葉県において生後11か月児の日本脳炎症例が報告されました。
日本脳炎流行地域*に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎患者が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域**に居住する小児に対しては、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種を開始することが推奨されます。
ただし、日本脳炎ワクチンの接種量は、3歳未満で0.25mL、3歳以上で0.5mLと異なりますので、注意してください。
なお、1期接種を初回接種から追加接種まで全て0.25mL で済ませた場合でも、免疫原性に問題がないことが確認されていますので1)、標準的な2期接種の時期(9歳以上13歳未満)までの間に、それ以上の追加的接種をする必要はありません。
*世界の日本脳炎流行地域
http://wwwnc.cdc.gov/travel/yellowbook/2016/infectious-diseases-related-to-travel/japanese-encephalitis#4640
**国内のブタの日本脳炎抗体保有状況
http://www.nih.go.jp/niid/ja/je-m/2075-idsc/yosoku/sokuhou/6010-je-yosoku-rapid2015-15-map.html
投稿者 医療法人社団ユニコ | 記事URL